2012年05月08日 ゲームは社会的なものであり、コミュニティは人が戻ってくる場所として不可欠な要素となる。 [長年日記]
§ [DnD][4e] 2011年04月24日『血の雨と主人公』
エスペランザ(エラドリンのメイジ7):力術をよくする秘術使いのエラドリン。ついにファイアーボールを修得した。
グスタフ・トラップ(ヒューマンのシーフ7):幼いころから黒竜から盗賊としての訓練を受け、そろそろ独り立ちするように言いつけられて旅立った青年。
セヴン(ドワーフのウォーロード7):斧を偏愛するドワーフ。兜の飾りに取り外し可能な仕込み斧をつけている。
イド(ハーフエルフのパラディン7):遍歴の騎士。たぶん三人につけられたブレーキ兼companion。主人公らしい。
前回の冒険から十五日後。グスタフは組織の長から、街に“裏切りの書”という危険な魔道書が持ち込まれているので、それを回収せよ。という内々の命令を受けた。その持ち込みを手引きした連中の尻尾を掴むのも仕事のうちである。
少し調べると、ニトゥという故売屋が組織に話を通さずさまざまなモノを売り捌いて小銭を稼いでいるという情報が手に入った。裏切りの書もそういった商品のひとつで、近々競売にかけられるということがわかった。
ニトゥの競売場は豪商や貴族の屋敷が立ち並ぶ街区にあったので、エスペランザがエルフの放蕩貴族に扮し、残りはその用心棒に偽装して潜入することになった。中は洒落た内装になっていたが、富裕そうな者たちに混じってクオトアやグリムロックなど、物の価値判断や意思の疎通が可能なのか怪しい連中も混じっていた。
競売の商品は合言葉で開閉する結界の中にあったので、パーティは出口の近くに陣取り、裏切りの書が落札されて受け渡された時を狙って強奪する作戦に出た。
問題の裏切りの書はクオトアが会場へ持ち込んでいた台車の財宝一山で落札したが、ニトゥが書を持って結界を出てきた時、パーティの近くに座っていた美女とその護衛が走り、ニトゥに斬りつけた。彼らの狙いも裏切りの書だろうと踏んだエスペランザは迷わずにビグビーズ・アイシー・グラスプを発動。て倒れたニトゥごと裏切りの書を横取りし、ついでに美女が正体を現したサキュバスと、彼女の護衛だったドッペルゲンガーたちを一掃する。
クオトアの台車に財宝の山を戻して街の掟を言い含め、全身凍傷になったニトゥは組織に任せ、パーティは危険物を街に持ち込ませた黒幕の特定に動いた。街で聞き込みを行なって賞金首の情報などを調べていくと、報酬と引き換えに大規模な騒乱や破壊活動を請け負う邪悪なパラディン、ファングルの存在が明らかになった。己の活動を興行と呼び、そのための資金源としてさまざまな組織から仕事を請け負うもっとも性質の悪い手合いだった。
てファングルの隠れ家へ乗り込むと、彼は裏切りの書の入手に失敗すればこれ以上仕込むことは無いと部下を連れて宿を引き払うところだった。しかしパーティが武器を構えると、彼も興が乗り背中の大剣を抜き放つが、出目が振るわずにほとんどの攻撃を外してしまう。
「どうせ台本が無いと何もできないんだろう」
「うるせー。今からプロレス見せてやるコノヤロウ(ディヴァイン・チャレンジを使用)」
「挑戦者の打撃を受けきり、倍にして返すが王者のプロレス!」と啖呵を切ってアクション・ポイントを使ってセヴンを伏せ状態にするが、続くグスタフへの攻撃は外れ「スクリプト通りに動けよ。こっちの大技にも段取りがあるんだ」と野次られながらファングルはてマットに沈んだ。
だが、ファングルは倒れても彼の“興行”は終わらない。表通りから悲鳴と大勢が逃げまどう足音が聞こえたのでパーティがそこへ向かうと、広場の中央で巨大なぶよぶよした何かが人々を襲っていた。ファングルが裏切りの書で完成させようとしていた人工ブラッド・エレメンタルである。
逃げ惑う群集に揉まれながら、エスペランザのディスペル・マジックや〈魔法学〉で術を解き、グスタフやイドが核になっているスクロールを引き抜くことでエレメンタルは潰れ、道沿いの屋根からそれを制御していたシャダーカイたちもて順番に撃墜され、イドの追撃で葬られていった。
こうして騒乱は小規模なもので済み、パーティには方々から礼金が舞い込むのだった。
というわけで、なぜか敵がプロレスづいていたシティアドベンチャですぅ。情報収集や術式の破壊による敵の無力化などを技能チャレンジで表現することの優秀さが沁みた回でもあるですぅ。