ネコぶんこ


2012年06月21日 汝らすべて不法を行なう者よ、私から離れ去れ [長年日記]

§ [DnD][4e] 2011年11月13日、12月11日『そして霧は消え去った』

エスペランザ(エラドリンのメイジ/ブララニ・ウィンターソウル13):冷気を支配する力をより研ぎ澄ました秘術使い。トリガーハッピー。プレイヤは荒原の賢者氏。

グスタフ・トラップ(ヒューマンのシーフ/パラゴン・シーフ13):速くて痛い弓使い。装甲は心許ない。バックスタブ人生。プレイヤは森聖氏。

セヴン(ドワーフのウォーロード/キャプテン・オヴ・フォーチュン13):斧を偏愛するドワーフ。死狂い。キャプテンにしてジェネラルなのでまぎらわしい。プレイヤは隠者氏。

イド(ハーフエルフのパラディン/クエスティング・ナイト13):迷える騎士。ブレーキにならないcompanion。主人公。

陸へ戻って馬行二日。パーティはカーレリア近くにある隠れ家のひとつでブレットと落ち合っていた。彼は冒険者たちが宝石を捜している間にウォーフォージドを一体準備していた。ルーンたちが“風の王”のもとへ戻る気がないのなら、自衛する能力を持たせたほうがよいだろうという判断だ。

パーティが見つけ出した“霞の瞳”をウォーフォージドの腹部に固定し、儀式用の魔法陣で三人のルーンを宝石に転送する
「あとは固定化だけだが……。アラームに反応、結界を抜かれた。儀式の間、頼む」

その台詞が終わるか終わらないかのうちに、ドレッチを引き連れたシャダーカイとドラゴンボーンの傭兵が現われ、隠れ家へ向かって進撃してくる。ドレッチはエスペランザから薙ぎ払われるが新手が後ろから追いつき、魔法陣近くが戦場となった。

セヴンはイドと協力して黒いドラゴンボーンを機械仕掛けのハルバードで追い詰め、エスペランザとグスタフはシャダーカイを倒すが、すぐに次の襲撃者がやってくる。

第二波はかつても“風の王”のしもべとして人々の前に姿を見せ、立ち塞がったヴロックと、敗戦の雪辱を晴らすべくアンデッドとなって野に棲んでいた剣士、そしてドラウの術者だった。
「負けたなら大人しく死んでろ。死ねば故郷に帰れるんだから死んでろ」

パーティは愚痴るがヴロックと剣士は一気に押し込み、前衛も後衛もない乱戦となる。そしてその最中、ドラウが魔法陣のウォーフォージドへ肉薄して何かを取りつけ、倒れた。

そして、彼らを倒して数分もしないうちに本隊が到着した。敵は三人の丘巨人。その首領はカーレリアの宴でグスタフに声をかけてきた男である。パーティはブレットが持つ時間操作の秘術で完全ではないものの回復し、彼らと対峙する。

「ドラウがつけた装置を〈魔法学〉で調べよう〉」
「人形やアイテムにつけ、その中に魂を憑依させると操作できる一種の焦点具DEATHゥ」
「ほほう」
「巨人たちも調べる」
「〈自然〉と〈魔法学〉DEATHゥ。……その出目ならわかるけど、巨人のデータはかくかくしかじかで、首領にはカコデーモンが憑依してるDEATHゥ。首領をウォーフォージドに近すぎる場所で倒したら、カコデーモンがウォーフォージドを乗っ取って“風の王”の力を持った悪の存在が誕生するDEATHゥ」
「対策は?」
「憑依先を破壊して〈魔法学〉に成功すれば、マジック・サークルや魔法のアイテムに閉じ込められるDEATHゥ」
「いいことを聞いた」

最初に口を開いたのは巨人の首領だった。
「ここハ皆さンがそれを渡してくれたらわタしたちは」
「うるさい死ねえ」

対話の余地なく決戦の火蓋は切って落とされた。パーティは取り巻きを制御して直接対決を遅らせながら、首領に集中攻撃をかける。対する首領も力押しでウォーフォージドへ迫り、アダマンティン・ドラゴンの牙で兵士を作り出してパーティへ差し向ける。

だが牙の兵士が地面から生えた直後、首領の体力も尽きて生まれたばかりの兵士ごとその場に倒れ、開放されたカコデーモンがウォーフォージドの器に迫る。
「はいご苦労様」

セヴンの使わなくなったハルバードを片手で支えたエスペランザが霞のごときデーモンに空いた手で触れた途端、それはするすると消え、あたりに満ちていた悪意も霧散した。
「さてと。どうするか? これ」

やめろここから出せ出せば栄耀栄華をもたらしてくれようと喚く魔鬼を無視し、何か思いついた様子のエスペランザはペットを呼ぶ。
「新鮮な餌だぞ」

そういって地面に置かれたハルバードを、元気にプロペラを廻しながら飼い主に擦り寄ってきたラスト・モンスターがぺろりと平らげ、数百年暗躍を続けていた魔鬼は少しもせずにプロペラの回転とレシディウムの糞へと分解されたのだった。どっとはらい。

というわけで、“風の王”のルーンを巡る戦いは去年の年末に大団円を迎えたですぅ。

カコデーモンの処理についてはシナリオ作成段階で完全にPCへ丸投げした問題だったけど、ここまですべてのピースがはまって実在の伝説に出てくる悪魔や妖怪のような末路になるとは思ってもみなかったですぅ。