ネコぶんこ


2012年07月02日 「死んだ有名人がもつ、この毒々しい娯楽価値って何……」 [長年日記]

§ [DnD][4e][Dungeon] Dungeon204号(Dungeon Issue #204)

目次

編集部より:深淵へ(Editorial: Anchors Aweigh!)
著者:クリストファー・パーキンス

アンダーダークの起源をずっと辿れば、それはTSRが1978年に初めて発売した古いアドベンチャー・モジュール“D”シリーズまでさかのぼる。今月、私たちは深淵へと下り、お馴染みのかなり危険な場所を紹介する。

落影の怪事件(Grasp of Thalarkis)
著者:スターリング・ハーシー

冤罪で訴えられたウィザードはウォーターディープの地下に広がる貧民街へと消えた。彼を見つけてほしいが、暗闇には注意してくれ! フォーゴトン・レルムの6~8レベルのキャラクター向けD&Dアドベンチャー。

海の母の真珠(Pearl of the Sea Mother)
著者:ジョン・“ロス”・ロッソマノー

海の母ブリブドゥールプールプは世界を狂気で呑み込むことを望んでいる。彼女を殺すのが君の仕事だが、どうやって神を殺そうか? 15~17レベルのキャラクター向けD&Dアドベンチャー。

剣の蒐集者(The Sword Collector)
著者:マイケル・E・シー

アンダーダークの住人に盗みを働くことについてよく考えてほしい。Map Pack: Vaults of the Underdark用にデザインされた、21~23レベルのキャラクター向けD&Dマップ・トレック・アドベンチャー。

ソードウィングの生態学(The Ecology of the Swordwing)
著者:ティム・エイゴン

ソードウィングは彼らがたくわえている物品で有名だが、蒐集物よりもソードウィングに価値がある。

デーモンウェブ・ピットの住民(Denizens of the Demonweb Pits)
著者:マイケル・E・シー

アビス第66層からの中継です。気味悪い群れ、這い回る化け物たちが君のプレイヤーたちをぞっとさせるだろう!

Dungeonはアンダーダーク特集ですぅ。

§ [DnD][4e][LnL] 『D&D Nextでの魔法のアイテム(Magic Items in D&D Next)』

伝説と伝承

マイク・ミアルス

私たちがD&D Nextで骨を折っているものに、君のステータスに占める魔法のアイテムの価値があると私は考えた。私たちは魔法のアイテムについて大まかな目標を話したが、それは誰かを驚かせてはいけなかった。

第1に、私たちは魔法のアイテムがキャラクターの能力の一部であると定義しない。この数値の影にある計算では君がキャラクター・クラスと種族によって得る特殊能力でのみボーナスが得られると仮定している。現在の段階で、私たちはそうしたキャラクターの装備変更をある種類の通常鎧を次の段階へ進めるものとしている。たとえば、ファイターは1レベルでチェインメイルを買えるかもしれない。後になって、そのファイターはバンディッド・アーマーやプレートを買う余裕ができる。鎧以外の場合、ゲームに他の装備が不足しているため、君たちの買い物による装備変更は厳しいものになると予測している。私たちはこれがD&Dらしい賢明な装備変更だと感じているが、私たちは装備変更にどんなことが期待されているのかを外さないためにもフィードバックをあてにしている。

第2に、私たちは魔法のアイテムが不思議で興味深く、楽しいものになることを願っている。それを見つけるのはセッションの見せ場でなくてはならない。もちろん、大きな問題は私たちがそれを起このをどうやって手伝えるかということだ。

まず、多くのゲーマはアイテムが攻撃やACにぱっとしない静的なボーナスを与えることを指摘する。+1チェインメイルという鎧は役立つが、それは必ずしも不思議な悲鳴をあげたりしない。私たちは大半の注意を他のアイテムに向けているが、それらを求めるDMのために、何の変哲もないボーナスを持つアイテムにゲームの紙幅を割くことにした。それはグループが望むなら旧版の素材をコンバートするのを簡単にするのだから、私たちがだめというとでも思うかい?

心に留めておいてほしいのは、私たちのボーナスが+3を上限にするかもしれないということだ。それ以上のボーナスはアーティファクトや銘入りの強力な武器の領域になるかもしれない。私たちは魔法のアイテムをゲーム内で足並みが揃うものよりはむしろ激動をもたらすものとして君に扱ってほしいが、私たちは君がどれくらいのことをできるか決定しなければならない。それがあまりに強いなら、それらは君がクラスと種族によって得た能力を殺してしまう。ここに存在する可能性が痛みとして発現するのが鎧であり、決定的なボーナスを得ると君は攻撃に対して無敵になってしまう。私たちはキャラクターが魔法の盾と鎧を見つけることが当たり前の状況になってほしくない。

魔法のアイテムへの肉付けはその他のアイテムのデザインを別のシステムへ移すことに集中している。私たちはそのシステムから移された能力一覧を見てそこから拾ったものを武器に追加している。たとえば、第3版で魔法の武器はほとんどが武器の静的な攻撃およびダメージに加え、付与できる能力の一覧から選択することで構築された。私たちは第4版ではこれをひるがえし、能力から始まり、それを付与する武器の種別を決定し、それが効果を及ぼす魔法のボーナスの範囲を決定した。

D&D Nextのために、私たちは完全に独自な武器、装具、あるいは鎧のデザインを見据えている。サンダー・ロック・メイスは君の攻撃ロールとダメージ・ロールに+2のボーナスを与え、自律していない物体に3倍ダメージを与え、1日2回自然の岩を砕いて隧道を掘れる。ワンド・オヴ・アンクエンチャブル・ファイアは君の呪文攻撃ロールにボーナスを与え、火呪文の追加ダメージを増幅し、そして命ずれば君が次に命令することでしか消えない魔法的な炎による光を発する。ゴルゴン・アーマーは君に石化への完全耐性を与える重装鎧かもしれず、君は1日1回ゴルゴンのように有毒な気体の中で呼吸でき、敵を突き刺すことができる角のついた兜もついているかもしれない。

それに加え、私たちはDMに魔法のアイテムを世界に影響させるためにあるオプションと道具のセットを与えたい。私たちはどんな武器にでも特殊能力の表から冒険者が純粋にどう有利になるかより、特別な誕生、その来歴、そして世界での位置づけを構築できるようにしたい。

たとえば、表を数回ロールすることでそれがドワーフが鍛えたサンダー・ロック・メイスで、デーモンの侵略に対抗するためだったとする。それはメイスに2つの特殊能力を与えるかもしれない。メイスが地面より下にある時はいつでも、それはもっとも近いドワーフの要塞へ向かう道へ微妙に引かれる。デーモンがそのメイスから200フィート以内に来るなら、武器はその持たれた手でわずかに輝きを増す。

こうしたちょっとした描写は、プレイヤー側の試行錯誤に任せてDMが決して詳細を説明しないかもしれない不思議なことだ。それらはゲームのバランスや仕組みともかかわりがないので、私たちはまったくDMの物語や語りをするレベルで自由に使わせることができる。おそらくそのメイスはDMがそれによって物語を進めようと目論んでいたか、キャラクターが単純にメイスを得てからDMのマップにあったランダムな遺跡に向かったため、君を忘れられたドワーフの要塞へ導くだろう。

理想的には、君のグループがキャンペーンを振り返った時、そのメイスが君を忘れられて放置されていた財宝に導いたり、君をレッド・ドラゴンのねぐらに送り込んだために忘れられない物になるのがいい。いずれにせよ、アイテムは物語の一部であり、方程式の数値ではない。

もちろん、この方法論は“一般的な”+1プレートにも適用される。君のDMが魔法のアイテムで物語を盛り上げたいなら、ゲームはそのための資源を提供する。願わくば、それが君のキャンペーンでいくつかの面白い事件を引き起こさんことを。

マイク・ミアルス

マイク・ミアルスはD&Dリサーチ・アンド・デザイン・チームのシニア・マネージャだ。彼はレイヴンロフトのボードゲームやD&D RPGのサプリメント何冊かを手がけている。