2012年07月16日 『何でお前はいつもそう否定的なんだ。何を見ても、気の滅入るものを見つけるんだから』 [長年日記]
§ [DnD][4e][LnL] 『5分の勤務時間(The Five-Minute Workday)』
伝説と伝承
多くの人がD&D Nextに伝統的なD&Dの魔法を導入することで――術者は毎日呪文を準備し、彼らがそれらを発動する時に消費し、そして彼らは再び休憩した後に呪文を得る――グループが1回の戦闘を終わらせるとすぐにキャンプを始める心配をしている。この現象は冒険者が休憩の前に5分程度をダンジョンで過ごすため。しばしば5分の勤務時間と呼ばれている。
私たちはグループが1回戦った後ですぐに休まなければならないと感じてほしくない。君がダンジョンを探検しているなら、私たちは君たちが毎日手応えのある進展を感じることを確実なものとしたい。私たちはまた、ヒット・ポイントの多大な損失も同じような意味を果たすが、これらのクラスが呪文を回復するために休憩しがちなのがこの圧力の主因だとも気づいている。ファイターとローグの継戦能力とウィザードとクレリックの呪文消費の間でゲーム・バランスを整えるのは、ローグとファイターが輝けるだけの長さを“勤務時間”に持たせるためにも重要なことである。
私たちは第4版、さらにD&D Nextでモンスター、キャラクター、呪文、そして回復の間に関わっている基本的な数値に細かく注意を払っている。遭遇より、今の私たちは冒険の一日に焦点を当てている。それは典型的な冒険の間、私たちは平均的なパーティがXレベルに値するモンスターをYラウンドの戦闘で撃破すると想定することだ。言い換えれば、私たちは冒険にはある程度の戦闘が含まれていることを想定し、その量はラウンド数と敵の数によって定義されているといえる。
明らかに数値は三本柱のひとつだけ、戦闘にその名を刻み込んでいる。私たちはここでヒット・ポイントを経過を綴る仕組みとして使っている。他の2本柱である交流と探索は、通常なら君にヒット・ポイントを失わせないが、戦闘ではそれぞれのクラスが貢献するためにも私たちは呪文と魔法的ではない能力を直接比較することができる。たとえば、ローグの隠密行動能力はインヴィジビリティの呪文と互角でなくてはならない。呪文は君を有利にするが、適切な背景やクラスの能力でもそうなることはできる。さらに、キャラクターは常に何かを試みるために能力値判定を行なうことができる。君はオプションなしだと動けないわけではない。
私たちは罠のたぐいをモンスターと同じ戦場で評価することができる。交流と探索に対する経験点による報酬は機械的な定義より、ダンジョン・マスターの手に委ねられるべき領域だが、いずれも最終的な経験点システムには完全なガイドラインを掲載する。
これは5分の勤務時間で何を意味するだろうか?DMの手にはグループが休憩する前に何ラウンド戦闘するのが望ましいかという非常に明確なガイドラインがある。グループがより短い時間を戦いに費やせば、術者はより強くなる。キャラクターがより長い時間を戦いに費やせば、ファイターとローグがより強くなる。問題の解決法はDMの手にあり、私たちが提供する道具とガイドラインを使うことができる上、さらに戦闘の長さを調べればそれに応じた冒険に調整できる。
術者と他のキャラクターの違いの例だが、君が冒険の間に戦うはずの怪物すべてが徒党を組んでいるなら、ウィザードはファイターと比較してはるかに強力だ。ファイアボールはほぼすべての敵に損害を与え、ウェブは彼らすべてを捕縛する。一方、ファイターとローグは一度に何体かの敵しか相手にできない。君が戦闘を圧縮した場合、ウィザードとクレリックの戦闘用呪文はより強力になる。
比較するため、パーティが1度に1体のモンスターと戦ったらどうなるか想像してほしい。ファイアボールのようなものが1体の敵に炸裂するだけで面制圧が効果的でないなら、ウィザードは呪文を発動しないことを選ぶかもしれない。一方のファイターは、パーティの敵に何度も斬りつけることができ、1体づつ彼らを倒していける。
R&Dの出した両極端な見解は重要なもので、この2点の間のすべてがDMのためにあるオプションだ。デザイナの仕事はプレイの方法を君に話すことではなく、君が望むD&Dにあてはまるゲームを運営する能力を君に与えることだ。5分の勤務時間が君を悩ますなら、君はゲームにそれが与える影響を調査するための道具を持っていて、それを修正するための措置を取ることができる。君が気にしないか、これまでその問題を認識していなかったのなら、私たちは君のために何も作らない。
マイク・ミアルス
マイク・ミアルスはD&Dリサーチ・アンド・デザイン・チームのシニア・マネージャだ。彼はレイヴンロフトのボードゲームやD&D RPGのサプリメント何冊かを手がけている。