2012年08月20日 「うちの子供たちには、本当に大いに期待してたんだけどねえ。だってねえ、お前たち赤ちゃんの顔をのぞきこんで、そういう気持ちにならないわけがないじゃないの。でも、お前たちが人生をどうしようと、気にするのはやめにしたわ。こう言って腹でも立てられちゃ厭だけど、おかげで、あたしの人生がずうっと楽になったの」 [長年日記]
§ [DnD][4e][LnL] 『ソーサラーとウォーロック(Sorcerers and Warlocks)』
伝説と伝承
Gen Conでの私たちを振り返ると、ついに秘密が漏れてしまった。私たちはこれまで2ヶ月の間ウォーロックとソーサラーに取り組み、ついにそれらを君がテストできるようにした。君がアップデートされたD&D Nextのプレイテスト用文書をダウンロードしていない(あるいはまだプレイテストに参加していないなら)君はここからそれを行なえる。D&Dのクラスすべてを見渡して、私たちはこの2つがもっとも方向性を固める必要がある1組であると認識した。パラディン、レンジャー、ドルイドなどは、D&Dの中で地歩を固めている。彼らは1970年代からゲームに存在した。一方ソーサラーとウォーロックの歴史は浅く、背景についての説明もかなり少ないものだ。これらのクラスが背景として持つ物語で彼らを世界に適合させ、彼らに他とは違う特徴を持たせるため、私たちは多くの仕事を行なった。
ソーサラー:第3版ではソーサラーの覚醒についての文章が少し足りなかった。それはソーサラーがドラゴンの末裔であることと関係し、ソーサラーが最初に力を示すのが思春期であることを記述していた。しかし、それは物語の半分でしかない。
ソーサラーは生まれ持った魔法の素質を扱えるが、その力は抑制できなかったり、操れなかったりする受動的なものではない。ソーサラーの力はソーサラーの肉体に封じられたもうひとつの魂だ。それは生の秘術魔法であり奇妙な本能でもある。そしてそれは、なんとしてでも逃げようとする侵入者でもある。
ソーサラーにとって幸運なのは、彼女がこの押しつけられた力の犠牲になっているだけではないことだ。ソーサラーが持つ2つめの魂の魔法はその宿主にももたらされる。ソーサラーは彼女が持つ力の根源が同じであるゆえに、魔法を呪文という形で扱うことができる。
ソーサラーは秘術のエネルギーを彼女の意志力で制御して指向性を与えるが、そうすることは彼女自身の自我と存在を徐々に蝕んでいく。強い力はより意志を侵蝕し、弱いものはより少ない。ソーサラーは彼女の力が突然表に出てきて、意志をほとんど魔法の制御に持っていかれる劇的な変化を経験する。侵入者の精髄は肉体的なしるしとなって出現し、ソーサラーをフェイの魔法、竜の力などにあわせた相を持つ肉体へ変成させる。
ほとんどのソーサラーはすぐに彼ら自身の感覚を回復して元に戻る。他はそれほど幸運ではない。魂は引き裂かれ、彼らはその魔法によって永遠に変化してしまう。彼らの裡で爆発した秘術の力は魂を引き裂かれたクリーチャーの自我を喰らい尽くし、まったく異質で人知を超えた、永遠に変化してしまった何かに変わり果てたクリーチャーを残す。
誇り高いウィザードはみんな、君にソーサラー最大の敵は彼らに襲い来る凶悪な敵ではなく、自分自身であることを説明する。学習、論理、そして慎重な訓練によってウィザードは秘術魔法を用心深く慎重に扱うことを覚える。ソーサラーはそのような訓練をしない。彼らが持つ力はよりよく利用されるために管理されて研究されるべきである。悪のウィザードはソーサラーを捕獲し、彼らで実験し、最終的には魔法のポーションなどのアイテムの素材として彼らの肉体を使うことに何のためらいもない。
ウォーロック:宇宙には数多くの強力な存在がいる。それらのうち神格は、彼らに跪拝し服従する定命の者にその力を貸し、彼らのためにその力を使わせる。他の存在はより直接的に定命の者と関係する。創世の謎と真実への鍵を開けることができる者たちにとって、彼らは強大な力を与えてくれる後援者であり味方だが、その代償は常に高い。
魔法が存在する世界で、ウォーロックは長らく忘れ去られていた難解な物質世界を解き明かす古代の秘密や、それを内包する次元界の仕組みを学ぶ。一部のウォーロックは目的を持ってこの伝承を見つけるが、他は意図せずにこの道へ踏み込む。
埃っぽい書物の余白に記された数式は、若い写字生の心を何日も騒がせる。不思議な夢に心を乱され、写字生は印形が彫りこまれた古代の巨石を見つけるまで町外れの森をさまよい続ける。いくつかの印形は写字生にとって馴染み深いもので、彼の心は不思議な可能性と隠された力へのささやきで溢れる。数ヶ月、あるいは数年、探索は続く。写字生は長い間失われていると考えられていた、真の力を知る者たちが守ってきた秘密と伝承についての書物を発見する。
写字生がこの禁じられた伝承を充分に学んだなら、彼は宇宙を支配する真の原理を我が物とする。世界を流転する魔法のエネルギーが彼の目に見えるようになり、彼はそれらを己の意志で操る方法の扉を開く。彼はすぐに次元界の強力な存在たる宇宙的存在への接触方法を学び、より多くの秘密、より多くの伝承、そしてより多くの力のために彼らと取り引きを行なうことを学ぶ。
この取り引きは無害なように見える。ウォーロックは妖術のために彼の鏡へ映る姿、彼の髪の色、あるいは彼の名前を取引材料にするかもしれない。こうした安物は秘術の力への代償としては小さなもの、あるいは少なくともウォーロックが契約を正当化できるものだ。
ソーサラーを恐れるウィザードは、ウォーロックを憎む。多くの秘術学院は、ウォーロックが探す宇宙の秘密を解くために求める万巻の書物と古代の巻物を所蔵している。ウィザードはウォーロックをでしゃばり、泥棒、そして危険な変節者であると考えている。彼らは行動がもたらす結果を気にすることなく魔法を行使する。いくつかのウィザードの学院はウォーロックが探している書物を見つけては焚書することさえある。これらの秘密についてウィザードは、秘密にしておいたほうがよいものだと君に打ち明けるかもしれない。
悪のウォーロックはおびえられ忌まれているため、ほとんど敵がいない。ほとんどのウォーロックは次元界の強者と彼らの関係について用心深い。彼らは許容できるだけの代償しか提供しない。悪のウォーロックは力のために彼らの魂を喜んで売り渡し、溢れる魔法と後援者へのたゆみない信奉へ転化させる。
マイク・ミアルス
マイク・ミアルスはD&Dリサーチ・アンド・デザイン・チームのシニア・マネージャだ。彼はレイヴンロフトのボードゲームやD&D RPGのサプリメント何冊かを手がけている。