ネコぶんこ


2013年07月01日 ロールプレイング・ゲームの戦術面で成功する方法を考えるというのは、言ってみれば使う車の種類、燃費、年式など、基本的な事実をまったく考慮しないで、ロサンゼルスからニューヨークまでの最良のルートを考えるのとおなじようなことなのである。 [長年日記]

§ [DnD][4e][LnL] 『D&Dのさまざまな世界(The Many Worlds of D&D)』

マイク・ミアルス

先週はアドベンチャーのデザインとそれがどうゲームのデザインに関係するかを書いた。今週は、私たちがD&D Nextでさまざまな世界にどう取り組んでいるかについて書こう。これはD&D Nextの広大な宇宙観に君だけのキャンペーン世界をなじませる方法でもある。

まず、私たちはさまざまな版と世界の違いを調和させるために宇宙観を少々いじることにした。私たちは創造と同じくらい、かつての資料もできるだけ役に立ち使えるものにするよう心がけている。この方法は既存のキャンペーンをD&D Nextへ移植するとき、可能なかぎり多くの物語に互換性を持たせられるようにするものだと考えてもらっても構わない。

たとえば、元素界は主物質界をとりかこむ3つの輪として分割される。もっとも内側の輪は浅元素界だ。標準世界の中でも特定の元素が支配的な場所がこうした領域だ。火の浅元素界は火山灰の沙漠、活火山、あるいは溶岩の湖のような土地だ。そのひとつ外側に位置する輪はPlanescapeの資料で紹介された元素界のように、純粋な元素のエネルギーによって構成された深元素界である。最後、もっとも外側の輪は分岐する前の純粋な元素のエネルギーによって構成される“元素の渾沌”だ。

この方法はさまざまな情報源によって導き出されたものだが、すべての始まりはみんなも好きな炎のドワーフ、アザーだった。アザーについて最初の解説では彼らが玄武岩の塔に住むと書かれていた。このアザーの解説は、私たちにオリジナルAD&DDungeon Master's Guideに書かれた火の次元界関連の記述を読み返す機会を与えてくれた。それは浅元素界の考えを固めていくことを助けるイメージを提供してくれた。こうして形作られたものは、D&Dの代表的なイメージでありながらすべてが一致するわけではない伝承を受け止めることができた。それが語る元素界という面を受けいれても、私たちはさきの原稿を上書きしたり削除することなく冒険のよりさまざまな展望が開けるようになる。

アザーの話に戻れば、私たちは大火山地帯に現出した地と火の浅次元界の境界にそびえる玄武岩作りの塔に彼らを住まわせることができる。一方、君はPlanescapeのThe Inner Planesに記述されているように火の深元素界へ他のアザーを住まわせることもできる。

同様の理由で、私たちはフェイワイルドを正のエネルギー界と主物質界の間にある浅次元界だと解釈している。恐怖の領域レイヴンロフトはその逆、負のエネルギー界と主物質界の間にある。シャドウフェルの要素はレイヴンロフトの中にある領界として取り込める。

外方次元界については、Planescapeを標準的なものとして想定している。それは非常に愛されているセッティングで、しかも既存のキャンペーンへ追加するのがかなり簡単(そうデザインされている)だ。それはすなわち“大いなる転輪”、流血戦争などをはじめとしたD&D宇宙の伝統要素が戻ってくることを意味する。内方次元界について行なったいくつかの作業は外方次元界にもあてはまり、物語る機会を増やし“転輪”を異なるセッティングや異なるDMにとって柔軟なものになることを意図して、私たちは宇宙にいくつかの要素を追加した。

私たちが目論んでいる最大の設定変更はSpelljammerについてだ。かつて、それはD&Dのセッティングすべてを訪れることができる場所として取り込んだ。私はそれがセッティング一番の売りだと確信していない。私が思うに、SpelljammerD&Dの舞台を宇宙にするのが面白みだったのだ。フェイルーン、オアース、あるいはその他の世界を追加していくことで、最初の印象はぼやけてしまった。これらのセッティング側とっても、それらは世界の持ち味や雰囲気を乱す不協和音だった。誰もがキャンペーンに宇宙船のようなものを望むわけではないから、私はSpelljammerと他の世界の関係より、それ自体のセッティングを重視してD&D Nextの多世界を繋ぐ役割を軽くしたほうがいいと考えている。

この方法論でドラゴンランスエベロンフォーゴトン・レルム、ネンティア谷の世界、グレイホークミスタラDark Sun、そして君だけのキャンペーン・セッティングまでもが私たちが作った次元界の基本的な設定で表現できるようになるのが理想だ。

“破砕(the Sundering)”を覚えているかい?

去年のGen Conでの基調講演で語られたフォーゴトン・レルムに永遠の変化をもたらす一大事、“破砕”のことを覚えている人もいるかもしれない。君たちがこの情報を知らされるように、現在はこれがまたたびたび話題になってくる時期だ。明日はDungeonsandDragons.comを見て、君が“破砕”に関連するさまざまなイベントへどう参加できるか、そしてどうやればレルムの未来を再編する企画に参加できるのかを知ってほしい。

マイク・ミアルス

マイク・ミアルスはD&Dのリサーチ&デザイン・チームのシニア・マネージャだ。彼はレイヴンロフトのボードゲームやD&D RPGのサプリメント何冊かを手がけている。