ネコぶんこ


2015年11月17日 [長年日記]

§ [DnD][5e] 『ルール回答集:2015年11月(RULES ANSWERS: SEPTEMBER 2015)』

Sage Advice

ジェレミー・クロフォード――2015年11月16日

Sage AdviceはD&Dのルールの公式な解説を行なう月刊コラムだ。それはまた、君のD&Dのゲームが円滑に進むのを助けるための参考文書を時々提供する。Sage Advice第一のルールは? ダンジョン・マスター――このコラムやルールブックではない――はゲームの裁定者だ。

今月は、昨年来何度か届いていたいくつかのルールにの質問に触れる。

Sage Adviceに将来答えてほしい質問があるなら、sageadvice@wizards.comに質問を送るか、このコラムの連載の合間にツイッター(@JeremyECrawford)で私に答えてほしいことを伝えてほしい。

種族の特徴

ライトフット・ハーフリングとウッド・エルフの種族的特徴は見られているときにも隠れ身ができる? ライトフット・ハーフリングとウッド・エルフの特徴――隠密の天性と自然隠れ――は、それら副種族の者たちが、観察者が近くにいる特殊な状況ですら隠れ身をすることを許す。通常、すべてが見えているなら君は誰かに対して隠れ身ができない。しかし、ライトフット・ハーフリングは少なくとも1サイズ大きなクリーチャーの影で身を隠そうとできるし、ウッド・エルフは単純に豪雨、霧、雪などの自然現象で隠れ身をすることができる。それは自然そのものが探しだそうとする目――まさにそのエルフを見ている!――からウッド・エルフにとばりをかけるかのようだ。どちらの副種族も多くの他の種族が利用できない状況で隠れ身をすることができるが、どちらの副種族も隠れ身の成功が保証されているわけではなく、【敏捷力】〈隠密〉判定が通常通りに必要とされ、注意深い敵は隠れたハーフリングやエルフを後から見つけ出すかもしれない「こしゃくなハーフリングめ、衛兵の後ろに隠れているな!」。

クラス特徴

Expanded Spell Listの特徴で得られるウォーロックの呪文は、修得呪文数に含まれる? その特徴によって得られる呪文は、ウォーロックが自動的に修得する呪文ではない。それらの呪文はキャラクターのためにウォーロックの呪文リストに加えられ、そして適切なレベルで新たなウォーロックの呪文を修得するとき、そのキャラクターはその呪文を選ぶことができる。学んだなら、その呪文はウォーロックの修得呪文として扱われる。

Quickened Spellでソーサラーは1ラウンドに1レベル以上の呪文を2回発動できる? できない。ソーサラーはボーナス・アクションでの呪文発動と2回目の呪文について、通常のルールに従わなければならない。

追加攻撃を使うとき、すべての攻撃で同じ武器を使わなければいけない? 追加攻撃は攻撃に何を使うか制限しない。君は攻撃するために通常武器、代用武器、素手打撃、あるいはこれらのオプションの組み合わせを使うことができる。

背景

複数の背景を持つことはできる? 君はひとつの背景しか持てない。それは君が冒険者生活に乗り出す前に人生の鍵となっていた側面を意味する。準備された背景のどれもが君のキャラクター案にしっくり来ないなら、君のDMと話し、背景をカスタマイズするためにPlayer's Handbook125ページのガイドラインを使うこと。

装備

シールドで攻撃――おそらくは代用武器として――しても、ACへの+2ボーナスは保たれる? シールドで攻撃しても、君のACへのボーナスは失われない。

マルチクラス

ローグ/モンクは素手打撃で急所攻撃を使える? 急所攻撃の特徴は妙技か射撃の特性を持つ武器で機能する。素手打撃は武器ではなく、その資格を得られない。いっぽう、ローグ/モンクはショートソードやダガーのような、必要条件の特性をひとつ持つモンクの武器で急所攻撃を使うことはできる。

特技

《Savage Attacker》の特技は素手打撃でも機能する? する。《Savage Attacker》の利益は近接武器攻撃へのもので、素手打撃は近接武器攻撃だ。(今年のはじめ、『Player's Handbook』へのエラッタで素手打撃は近接武器攻撃を行なえるが武器ではないと明確化された。素手打撃はStunning Strikeのような近接武器攻撃が必要なものの条件を満たし、Sneak Attackやマジック・ウェポンのような武器が必要なものの要件を満たさない。このルールの中心にあるものは攻撃と武器の区別で、前者は君が行なう行為、後者は物体である。)

戦闘

不意討ちはイニシアチブ順とは別に特別な不意討ちラウンドとして発生する? 違う。不意討ちは以下のようになる。

まず、どの戦闘でもDMは戦闘で誰が不意を討たれるか決める(Player's Handbook189ページの「Combat Step by Step」を再読すること)。この決定は戦闘の開始時に1回だけ発生する。言い換えると、一度戦闘が始まったなら、もう不意討ちは起こらないが、隠れ身をしている敵はまだ目に見えないことによる通常の利益を得られる(Player's Handbook194ページの「Unseen Attackers and Targets」参照)。

敵が隠密行動をしていることに気づかなかった、あるいは例外的に不意討ちを可能にするゼラチナス・キューブのTransparentの特徴のような特殊能力に驚かされたとき、君は隙を突かれて不意討ちされる。君は味方がそうでなくても不意討ちされることがあり、敵の1体も君の隙を突けなければ不意討ちされない。

誰かが不意討ちされたとしても、アクションはまだ発生しない。まず、イニシアチブは通常通り判定される。そして、戦闘の第1ラウンドが始まり、そこで不意討ちされていない戦闘参加者はイニシアチブ順に行動する。不意討ちされたクリーチャーは移動やアクションを取ること、あるいはリアクションをその最初のターンが終了するまで行なえない(それはアクションを取ることができないので、ボーナス・アクションを取ることもできないことを忘れないように)。実質、不意討ちされたクリーチャーは戦闘最初のターンを飛ばされる。一度そのターンが終われば、そのクリーチャーはもう不意を討たれない。

つまり、誰かが不意討ちされたかどうかには関わらず、戦闘の公道は常にイニシアチブ順に行なわれ、戦闘が始まったと認識してなら、不意討ちはもう重要ではない。君はまだ敵から隠れようとすることも、隠れ身をすることによる利益も得ることはできるが、そうしても君は敵から彼らのターンを奪うことはない。

近接武器攻撃だけが敵を気絶状態にできるのか、あるいは近接呪文攻撃でもできるのか? 君が近接攻撃でクリーチャーのヒット・ポイントを0以下にすれば、君はクリーチャーを気絶させられる(PH、198ページ)。その近接攻撃は武器に限らない。近接呪文攻撃もクリーチャーを気絶させるために使える。

巧妙なアクションやStep of the Windのような特徴を持っているなら、自身のターンに1回以上の疾走アクションを行なえる? 君がボーナス・アクションを使って疾走アクションを行なうなら、通常のアクションでまた疾走アクションを行なうことを阻止するようなルールはない。君が怒濤のアクションのような特徴を使うときもまた、その原則は保たれ、君は両方のアクションで疾走アクションを行なうことができる。

呪文発動

プレイナー・バインディングは束縛したクリーチャーを召喚する? それともそれは別に行なわれる? プレイナー・バインディングはクリーチャーを召喚しない。それは呪文の射程内にいるクリーチャーを束縛する。

ヘイル・オヴ・ソーンズの呪文は最初の攻撃で終わる? あるいは精神集中を維持する限り、それは継続する? ヘイル・オヴ・ソーンズは遠隔武器攻撃がクリーチャーにヒットするか、精神集中が終了するまでの、どちらかが先に来るまで持続する。

Sage Advice大辞典

今月の質問と回答を加えたSage Advice Compendium (version 1.04)。

その他の資源

私たちがこのウェブサイトで公開したその他D&Dについての参考文献がここにある。

Player’s Handbook Errata (version 1.1)

D&D Spell List (version 1.01)

Monsters by Challenge Rating (version 1.0)

D&D Monsters by Type (version 1.0)

Magic Items by Rarity (version 1.0)

Conversions to 5th Edition D&D (version 1.0)

作成済みキャラクターだけでなく、空白のキャラクター・シートのためにはCharacter Sheetのウェブページを訪れればいい。

著者について

ジェレミー・クロフォードはダンジョンズ&ドラゴンズ第5版の共同リード・デザイナである。彼は第5版Player's Handbookのリード・デザイナでありDungeon Master's Guideにも関わっている。彼は2007年にウィザーズ・オブ・ザ・コーストに入社して以来、多くのD&D関連書籍に携わってきた。君は彼にツイッターで連絡することができる(@JeremyECrawford)。