ネコぶんこ


2021年05月15日 [長年日記]

§ [DnD][5e] アドベンチャー:谷に降りたる炎(2~4レベル)

Cの字混じりの小冒険三つ目ですぅ。

データ系はOGLを使ってるので、そちらの参考にもどうぞですぅ。ただし、一部のデータは私が自作したものなので、そちらの引用はないようにしてもらいたいですぅ。

また、現在イエローサブマリンさんに第5版用のアドベンチャー集『駆け出し勇者の小冒険』、そして新作の『冒険者夜話』を1650円(税込)にて依託中ですぅ。さくっと遊べるシナリオをお探しの方は是非ですぅ。

冒険の概要

この冒険は2~4レベル程度のキャラクター3~5人向けの短時間で終わるアドベンチャーである。

キヌチェンドンの町でミ=ゴの拠点、ヌファーラッツの谷を知ったキャラクターたちがそこへ向かうと、そこでは火の神クトゥグァの信奉者が御使いを喚び出し、殺戮を始めようとしていた。

キャラクターたちがこれに対処し、クトゥグァの司祭を撃退すれば冒険は終了である。

冒険への導入

ヌファーラッツの谷はキヌチェンドンの町から北西に300マイル先にある。60マイル手前までは駅馬車があり、8日で到着する。料金は24spである(宿代は別)。

谷の近くはシダ植物が増え、森のように鬱蒼と茂っておいそれと入ろうとする者を阻んでいる。その地帯を越えると、黒っぽい山肌の間に集落のようなものが見える。これがヌファーラッツの谷だ。

1.門番

谷の入口には普通の町と同じように市壁があり、その前には衛兵が2人いる。彼らは顔を隠した兜をつけ、体の線を隠すようなマントを羽織っており、かすれ囁くような声で共通語を話す。

衛兵たちはキャラクターたちを見ると、明らかに警戒した態度を取る。ハワードがいる場合は顔の利く彼が事情を話し、あるいはユンググラフトゥから貰った印形を見せれば、彼らは警戒を解いて谷へ入れてくれる。

ハワードもおらず、印形もない場合、入城税として1人1spを要求される。これは相場の10倍ほどだ。

衛兵の正体はミ=ゴである。

ミ=ゴ

中型・植物、中立にして悪


AC:16(外皮)

hp:27(5d8+5)

移動速度:15フィート、飛行30フィート


【筋】 【敏】 【耐】 【知】 【判】 【魅】
10(+0) 15(+2) 12(+1) 17(+3) 15(+2) 8(-1)

技能:〈医術〉+5、〈ペテン〉+2

ダメージ完全耐性:[冷気]

感覚:暗視60フィート、受動〈知覚〉12

言語:共通語、ミ=ゴ語

脅威度:2(450XP)


アクション

複数回攻撃:ミ=ゴは爪で2回攻撃する。

爪:近接武器攻撃:攻撃+5、間合い5フィート、目標1体。ヒット:5(1d6+2)[斬撃]ダメージ、および目標はつかまれた状態(脱出難易度10)になる。ミ=ゴは2つの爪を持ち、それぞれが1体の目標のみをつかむことができる。

電気銃:遠隔武器攻撃:攻撃+5、間合い20フィート、目標1体。ヒット:7(1d10+2)[電撃]ダメージ、および目標は難易度15の【耐久力】セーヴィング・スローを行ない、失敗したら麻痺状態になる。目標は自分のターンの終了時にふたたびセーヴィング・スローを行ない、成功すれば麻痺状態は終了する。

2.谷の中

ヌファーラッツの谷はこの世界におけるミ=ゴの居住区の1つで、500人ほどのミ=ゴが生活している。彼らはフードのついたローブを目深に被って人型生物に見えるよう生活しているが、ぎこちない動きやキチキチと硬い物をこすりあわせるような独特の話し声は、何かがヒューマンの生活を真似ているような違和感がある。

この谷には普通の町で買えるようなものはだいたい購入できる。ミ=ゴ造りのアイテムもあるが、彼らは自分たちの技術が流出することを嫌っているため、信頼を得なければ手に入れることは難しいだろう。

ここにはシェブ・ン・カイ(共通語に直せば黒森亭ほどの意味)という酒場のような施設があり、食事を取りたかったり宿を求めているならそこを紹介される。この店で供される食事は発酵させた肉を煮込んだものなど、少々独特な物が多い。だが、ミ=ゴによるこの地の調査はかなり進んでいるため、食べても毒になるようなものは出されない。宿のベッドはどこかカビ臭い。

3.出火

キャラクターたちが谷を見て回っていると、中央にある広場の脇にある建物から爆発のような音と共に火の手が上がる。植物の性質も持つミ=ゴたちは大騒ぎになり、我先にと非難するが、炎は徐々に強くなっていく。

そちらへ向かうなら、「4.炎の中心」へ。キャラクターが躊躇してるようなら、勇敢なミ=ゴがファイアー・ヴァンパイア(後述)と戦っており、援軍を求めてもよいだろう。

4.炎の中心

火事の火元には異界の火の神格クトゥグァを崇拝する司祭ファルネがおり、彼女が儀式でクトゥグァの御使いたるファイアー・ヴァンパイアを呼び出している。彼女はクトゥグァと神話的敵対関係にあるミ=ゴの集落を焼くことで、すべてを焼き尽くす神の目をこの世界へ向けようとしているのだ。

ファルネはこの行ないを止めようとする者すべてにファイアー・ヴァンパイアを差し向ける。

司祭

中型・人型生物(任意の種族)、任意の属性


AC:13(チェイン・シャツ)

hp:27(5d8+5)

移動速度:25フィート


【筋】 【敏】 【耐】 【知】 【判】 【魅】
10(+0) 10(+0) 12(+1) 13(+1) 16(+3) 13(+1)

技能:〈医術〉+7、〈宗教〉+4、〈説得〉+3

感覚:受動〈知覚〉13

言語:任意の言語2つ

脅威度:2(450XP)


呪文発動:司祭は5レベルの術者である。呪文発動能力値は【判断力】である(呪文セーヴ難易度13、呪文攻撃+5)。司祭は以下のクレリック呪文を準備している。

初級呪文(無限回):セイクリッド・フレイムソーマタージーライト

1レベル(4スロット):ガイディング・ボルトキュア・ウーンズサンクチュアリ

2レベル(3スロット):スピリチュアル・ウェポンレッサー・レストレーション

3レベル(2スロット):スピリット・ガーディアンズディスペル・マジック

篤信:司祭はボーナス・アクションとして呪文スロットを1つ消費することで、近接武器攻撃を魔法的なものとし、ヒットした目標に追加で10(3d6)[光輝]ダメージを与える。この効果はターン終了時まで続く。司祭が2レベル以上の呪文スロットを消費した場合、1レベル上がる毎に1d6ダメージが上昇する。

アクション

メイス:近接武器攻撃:攻撃+2、間合い5フィート、目標1体。ヒット:3(1d6)[殴打]ダメージ。

ファイアー・ヴァンパイア

超小型・異形、混沌にして中立


AC:15

hp:22(9d4)

移動速度:飛行10フィート(ホバリング)


【筋】 【敏】 【耐】 【知】 【判】 【魅】
1(-5) 20(+5) 10(+0) 10(+0) 16(+3) 11(+0)

ダメージ完全耐性:[毒]、[火]

ダメージ耐性:[酸]、[電撃]、[雷鳴];非魔法的攻撃による[殴打]、[斬撃]および[刺突]

感覚:暗視60フィート、受動〈知覚〉13

言語:-

脅威度:2(450XP)


陽炎:ファイアー・ヴァンパイアは何かを着たり運んだりすることができない。

照明:ファイアー・ヴァンパイアは半径30フィートに“明るい”光を放ち、さらに30フィート先まで“薄暗い”光を放つ。

異次元の火:ファイアー・ヴァンパイアはクリーチャーや物体の占める空間を移動困難地形として通り抜けることができる。物体の中でターンを終えたなら、5(1d10)[力場]ダメージを受ける。ファイアー・ヴァンパイアに触れたり、5フィート以内で近接攻撃をヒットさせたクリーチャーは5(1d10)[火]ダメージを受ける。また、ファイアー・ヴァンパイアは敵対的なクリーチャーの占有する空間に入り、その空間で止まることもできる。そのターンの最初にクリーチャーの占有する空間に入る時、そのクリーチャーは5(1d10)[火]ダメージを受け、発火し、誰かがアクションとして火を消さない限り、そのクリーチャーはそのターン開始時に5(1d10)[火]ダメージを受ける。

アクション

精髄燃やし:近接武器攻撃:攻撃+7、間合い5フィート、目標1体。ヒット:9(2d8)[火]ダメージ、および目標の【耐久力】値は1d4減少する。これによって【耐久力】が0になった目標は死亡する。そうでない場合、この減少は目標が小休憩あるいは大休憩を取るまで回復しない。

結末

ファルネを倒せばファイアー・ヴァンパイアは消散する。キャラクターたちはこの場合でも倒したものとして経験値を得てよい。

クトゥグァ信者を撃退したなら、キャラクターたちはミ=ゴの信頼を得ることができる。

この記事はOpen Game Licenseに基づいて作成されている。Open Game Licenseに該当するのは、クリーチャーやアイテムの名前やステータスなどである。この記事の他の箇所は個人的な使用を除き、いかなる形式でも許可なく複製することはできない。