ネコぶんこ


2022年06月10日 [長年日記]

§ [DnD][5e] SRD5のライセンスを読む

D&D第5版にはデータが抜粋されて掲載されているSystem Reference Document 5.1という文書が公開されていて、オープン・ゲーム・ライセンス バージョン1.0aに従えばそれを引用、改変して商業利用も可能ですぅ。

では、そのライセンスがどうなっているかをこのエントリでは解説しますぅ。

ただし、これは私の見解に過ぎないので、どうしても不安だなーと思う人は法律の専門家に相談した方がいいですぅ。

また、わかりやすくするためにライセンスの文書を翻訳しているけど、これも正式なものではないので、何か疑問があれば原文にあたるようお願いしますぅ。

ではまず、SRD5に書かれていることとは前後するけどオープン・ゲーム・ライセンス バージョン1.0aから読んでいくですぅ。

オープン・ゲーム・ライセンス バージョン1.0a 参考用日本語訳

以下の文書はウィザーズ・オブ・ザ・コースト社の所有物で、ウィザーズ・オブ・ザ・コースト社(“ウィザーズ”)の西暦2000年の著作物である。すべての権利を留保する。

1. 定義: (a)“寄与者”とはオープン・ゲーム・コンテントに寄与した著作権および、または商標権の所有者を意味する。(b)“派生物”とは翻訳(他のコンピュータ用言語へのものも含む)、取り込み、修正、補正、追加、拡張、更新、改良、編集、要約、あるいは他の形による既存の作品の作り直し、変形、あるいは適合などの派生作品を含んだ著作物を意味する。(c)“配布”とは再版、許諾、貸与、リース、販売、放送、公共陳列、通信、あるいはその他の方法で配布することを意味する。(d)“オープン・ゲーム・コンテント”とは、ゲームの仕組みで、手法、手続き、慣例を意味するが、その内容は製品の独自性までは拡張されず、さらに以前の作品の拡張や、寄与者によってオープン・ゲーム・コンテントであると明確に指定されているすべての内容や、このライセンスによって扱われるすべての作品を意味し、翻訳、著作権の下での派生作品を含んで春が、製品の独自性は特に除外されている。(e)“製品の独自性”とは製品名や製品のシリーズ名、ロゴ、外観的な包装を含んだ識別可能にする目印である。アーティファクト、クリーチャーのキャラクター、物語、筋書き、構想、主題要素、台詞、出来事、言語、挿絵、記号、意匠、描写、肖像、形式、配置、概念、主題や画像、写真やその他の視覚的または音声的表現、キャラクター、呪文、魔法、人物、集団、人格、肖像、特殊能力や類似のもの、場所、地域、環境、クリーチャー、装備、魔法や超常能力の効果、ロゴ、記号、画像デザインの名前や記述を含み、さらに製品の独自性の所有者によって製品の独自性として明らかに指定され、特にオープン・ゲーム・コンテントから除外されている商標や登録商標を含む。(f)“商標”とは寄与者によって自分自身や、オープン・ゲーム・ライセンスの寄与者によって寄与された製品や関連製品を識別するために使用されたロゴ、名前、マーク、署名、標語、デザインを意味する。(g)“使用”とは使用、配布、複写、編集、整形、修正、翻訳、その他のオープン・ゲーム・コンテントの派生物を作成することを意味する。(h) “あなた”とはこの文書に合意し受諾を受けた者を意味する。

2. 許諾: このライセンスはこのライセンスの条項の下でのみ使用できるとの通知を含んでいるすべてのオープン・ゲーム・コンテントに適用される。あなたはすべてのオープン・ゲームコンテントを使用する場合にそのような数値を添付しなければならない。このライセンスそのものにより許可されているものを除いてはいかなる条項もこのライセンスに追加したり削除することはできない。このライセンスの下で配布されるすべてのオープン・ゲーム・コンテントには他の条項や条件を適用することはできない。

3. 提案と承認: あなたはオープン・ゲーム・コンテントを使用することによって、あなたがこのライセンスの条項に同意したことを示すものとする。

4. 承諾と対価: このライセンスの使用に同意した対価として、寄与者はあなたに、このライセンスの条項に従って恒久的、全世界的、ロイヤリティ無料、非排他的にオープン・ゲーム・コンテントを使用する許可を与える。

5. 寄与者の典拠の表示:あなたが独自の作品をオープン・ゲーム・コンテントに寄与する場合、あなたの寄与物が独自に製作されたもので、あなたがそれをこのライセンスで運用するのに十分な権利を持っていることを表示する。

6. 著作権許諾の表示: あなたはこのライセンスの著作権表示の部分を以下のように更新しなければならない。著作権表示にはあなたが複写、修正、配布したオープン・ゲーム・コンテントの著作権表示の正確な文書を含むようにし、さらにあなたが配布する独自のオープン・ゲーム・コンテントの題名、著作権の日付、著作権の保持者の名前を著作権表示に追加しなければならない。

7. 製品の独自性の使用: 他のライセンスによって明示的に許可された場合や、それぞれの作品の独自性の要素の所有者から独自に合意を得た場合を除き、あなたは製品の独自性を使用しないことに合意する。これには互換性があることの表示も含まれる。あなたは商標や登録商標の所有者から独自の許可を得た場合を除き、すべての商標や登録商標とのオープン・ゲーム・コンテンツの作品との関係において互換性や同時使用可能などの表示をしないことに合意する。オープン・ゲーム・コンテントにおいて製品の独自性を使用することは、製品の独自性の所有権に対する異議を構成しない。製品の独自性の所有者は、オープン・ゲーム・コンテントに使用したとしても、製品の独自性のすべての権利、タイトル、利益を保持し続けるものとする。

8. 識別: オープン・ゲーム・コンテントを配布する場合、あなたが配布する作品のどの部分がオープン・ゲーム・コンテントにあたるのか、あなたは明確に示さなければならない。

9. ライセンスの更新: ウィザーズもしくはその指定した代理人はこのライセンスの更新版を配布することができる。あなたは下のオープン・ゲーム・コンテントがこのライセンスのいかなる版を使用していたとしても、このライセンスの公式版のうちいずれでも使用すれば、すべてのオープン・ゲーム・コンテントの複製、修正、配布ができる。

10. このライセンスの複製: あなたが配布するすべてのオープン・ゲーム・コンテントにはこのライセンスの複写を含めなければならない。

11. 寄与者の名前の使用: あなたは商売や広告において、そうしてもよいと書面による許可を得ない限りオープン・ゲーム・コンテントの寄与者の名前を使用できない。

12. 不遵守の場合: 法令、裁判所の命令、政府の規定などのために一部もしくはすべてのオープン・ゲーム・コンテントに関してこのライセンスの条項に従うのが不可能ならば、あなたはそれらが影響するオープン・ゲーム・コンテントを使用できない。

13. 終了: もしあなたがここに書いてあるすべての条項を遵守することに失敗しており、不履行に気づいて30日以内にそのような不履行を修正できなかった場合にはこのライセンスは自動的に終了する。このライセンスが終了してもすべての二次ライセンスは継続する。

14. 改正: もしこのライセンスの規定のいずれかが施行できない場合、そのような規定は施行可能にする最低限の範囲で改正されるものとする。

15. 著作権表示

Open Game License v 1.0a Copyright 2000, Wizards of the Coast, Inc.

System Reference Document 5.1 Copyright 2016, Wizards of the Coast, Inc.; Authors Mike Mearls, Jeremy Crawford, Chris Perkins, Rodney Thompson, Peter Lee, James Wyatt, Robert J. Schwalb, Bruce R. Cordell, Chris Sims, and Steve Townshend, based on original material by E. Gary Gygax and Dave Arneson.

これは大雑把にいえば、引用元を明示すればあなたの派生物にオープン・ゲーム・コンテントとして公開されている文書や画像などを使って、そのとき改変してもいいと許可するライセンスですぅ。

ただし、製品の独自性として特に書かれているものについては使ってはいけなくて、これがSRD5のライセンスにも大きく関わってくるですぅ。

そして、SRD5の法的情報が以下の通りですぅ。

法的情報

System Reference Document 5.1(“SRD5”)と総称されるファイルを複製、改変、および配布する許可は、オープン・ゲーム・ライセンス バージョン1.0aを使用することのみで認められる。

この資料はオープン・ゲーム・ライセンス バージョン1.0aを使用して公開されているため、この資料を使用する前に、そのライセンスの条件を読み、理解する必要がある。

オープン・ゲーム・ライセンスの文書そのものはオープン・ゲーム・コンテンツではない。ライセンスの使用方法は、ライセンスそのものに記載されている。

以下のものは、オープン・ゲーム・ライセンス バージョン1.0aの第1節(e)で定義されているように、製品の独自性として指定され、OGLの第7節に記載されている条件に従うもので、オープン・コンテントではない。Dungeons & Dragons, D&D, Player’s Handbook, Dungeon Master, Monster Manual, d20 System, Wizards of the Coast, d20 (商標として使用される場合), Forgotten Realms, Faerûn, 固有名詞(呪文やアイテムの名前に使用されるものを含む), 場所, Underdark, Red Wizard of Thay, the City of Union, Heroic Domains of Ysgard, Ever-Changing Chaos of Limbo, Windswept Depths of Pandemonium, Infinite Layers of the Abyss, Tarterian Depths of Carceri, Gray Waste of Hades, Bleak Eternity of Gehenna, Nine Hells of Baator, Infernal Battlefield of Acheron, Clockwork Nirvana of Mechanus, Peaceable Kingdoms of Arcadia, Seven Mounting Heavens of Celestia, Twin Paradises of Bytopia, Blessed Fields of Elysium, Wilderness of the Beastlands, Olympian Glades of Arborea, Concordant Domain of the Outlands, Sigil, Lady of Pain, Book of Exalted Deeds, Book of Vile Darkness, beholder, gauth, carrion crawler, tanar’ri, baatezu, displacer beast, githyanki, githzerai, mind flayer, illithid, umber hulk, yuan-ti.

ライセンスの第1節(d)に記載されているように、SRD5の残りの部分はすべてオープン・ゲーム・コンテントである。

というわけで、ここでD&Dなどのゲーム名や有名な地名、人名、モンスタの名前などを保護する条項があり、これらは使っちゃだめとなっていますぅ。

その他のSRD5にあるものは翻訳も含めてばんばん利用可能なので、私のサークルうなぎむらでもアドベンチャー集を出したり、SRD5の翻訳サイト5ejを運営できているですぅ。

というわけで、このエントリがSRD5を使って何か作ろうとしている方の一助になれば幸いですぅ。

§ [Ludus] コミケ100受かってた

今日はコミケ当落発表の日で、サークルうなぎむらは2日目東456のピ02bに配置されてたですぅ。

ということで、これから原稿地獄が始まるですぅ。

今回もD&D第5版関係で何か作る予定で、小説とかの既刊も持っていきますぅ。

うなぎむらのサイトでも告知しましたぁ。