2012年07月04日 そしてここ、大きく白い太陽のもとで、ぼくはダグとクレアがもうひとつの、もっと歓待してくれる宇宙に住んでいるつもりになるのを、見守ることになる。 [長年日記]
§ [TRR] 『太閤幻想』完走
佐久間ヌコ助(男・少年・朱雀/アストロノーツ):地球で
イエス・キリスト(男・?・青龍/力人/黄泉還り):ある少女の祈りと聖遺物の力によって受肉した救世主。ロンギヌスの槍(殉教者の槍相当)を担いで少女を肩に乗せた寡黙で屈強な大男だが、いくさ人にも通じる不思議な人間的魅力を持った自称漁師。ヤコブと天使の戦い以来の拳法とさまざまな奇跡で英傑を導く。全地の言葉が分かたれる以前のバベル言語を操るため、会話には不自由しない。プレイヤは荒原の賢者氏。
ヨシツネ(男・?・白虎/妖怪絵師/遊芸者):鍋島藩お抱えの絵師。絵を描くための道具といくつもの《能面》を常に持ち歩くとらえどころのない男で、普段は鍋島斉正をして暖簾に腕押し、糠に釘と頭を抱えさせるほどの何もなさだが、忍びとして何かを命じられれば、過程はさておき結果は確実に持ち帰る凄腕。《能面》によって複数の《忍法》を操る汚い忍者。芸を披露している時はやや饒舌になる。プレイヤは隠者氏。
服部京香(女・17・玄武/ハイカラ/忍者):時空破断で明治時代から化政時代にやって来た少女。祖国の貧弱な情報機関と没落した生家を憂えていたため、この椿事を好機と考え、元の歴史より少しでもよい条件に世の中を変えるべく服部半蔵に接近し、上方の服部党を任されるまでになった野心家。素早く命令を出して配下や仲間を動かし、必要とあらば非情の手段を執ることも躊躇なく行なえる。プレイヤはアシタカ氏。
こういう面子だったけど、開始するなり当時は秘剣使い(「本当の磔刑を見せてやる」と謂ってロンギヌスの槍で《秘剣:三位の太刀》を繰り出す)だったイエスが「ここは島なら向こう岸見えるよね? 娘ひっつかんで《一気呵成》でそこまで移動」と宣言したり、ヌコ助が「俺が守らんといかんっぽいPC2が屈強なオッサンだからモチベーションが出てこない。そうだ師匠を殺そう!」とか謂って急遽王至全が毒を盛られて殺されたり、イエスがそれを見て「俺も戦いでは遅れを取らなかったが、あの晩餐で毒を盛られてな……。ユダじゃない。奴はそんな手を考えもしないだろうよ」などとほのめかす一幕もあったですぅ。
第一話はそこから先、敵と対決する段階になっても「誰が正面から行ってやるか。奇襲だ奇襲」ということになり、即興でそれっぽいことできるフェイズワークのありがたさも身にしみたですぅ。
第二話以降もせっかくだからA次郎の戦友としてネモ船長を登場させてノーチラスで大坂を強襲したり、第四話はクライマックスがなぜか恐怖の島で閻羅王ゲイリー・ガイギャックスが降臨しかけたりと、シナリオクラフトでゆとりが多い分、気心の知れた友人ならではのアドリブで埋めても1シナリオ3時間程度のプレイを楽しめましたぁ。
戦闘面では前のめりPCばかりだったせいかほとんどのボスが1ラウンド目で全員の行動が終わる前に死んでしまったり、最終話のボスに至っては渾身の拳をイエスに取られ、そのまま手首折られて再起不能になってしまったですぅ。しかしこれは敵もほとんどの奥義を使えてるので、奥義の攻防込みで密度ある戦闘を短時間にやれたという感覚のほうが強いですぅ。
シナリオ全体でも道中の判定や出てくる敵の構成がかなり際どかったのも、漫然と戦ったり判定をして進むのではなく、常に特技を宣言したり装備を使うことに気を廻させることでプレイの実感を強く味わわせるための仕掛けに感じられたですぅ。
ともあれいろいろあったけど脱落者0で最後まで行き、PCは別れてそれぞれ新たな旅を始める大団円とあいなりましたぁ。
シナリオクラフトという構造は好き嫌い分かれるかもしれないけど、内輪で軽くキャンペーンでもプレイしたい人にはお薦めできる内容ですぅ。