ネコぶんこ


2012年08月14日 ぼくは眠りに戻る。 [長年日記]

§ [DnD][4e][LnL] 『プレイテスト・パック第2弾(Playtest Packet Two)』

伝説と伝承

マイク・ミアルス

私たちがプレイテスト・パックの第1弾を公開して数ヶ月経ち、その間にプレイテスターからは多くのフィードバックを受け取った。今日ここに第2弾のプレイテスト・パックをダウンロードできる準備が整ったと宣言できるのは、私にとって幸せなことである。もし君がこれを読んでいてまだパックをダウンロードしていないなら、ここから先はあまり役に立たないかもしれないので、パックを手に入れるまで君はこれを読みたくないかもしれない。

今週、私はまだ行なわれていない変更のいくつかに注目して、テストの作業がどう機能するかについて少し話そうと思う。まず最初に、私たちがこれらを形にするにはそれだけの時間がかかることを断わっておきたい。私がこれを書いているとき、Gen Conはあと数日のところに迫っている。いつもなら私たちはこのコンベンションで新製品を発表する。私たちはD&D Nextのどんな製品も発表しないが、多くの刺激的なアップデートを共有することになる。君にGen Conへ行く予定があるなら、私は君に木曜日の夕方に行なわれるダンジョンズ&ドラゴンズの未来についての基調講演に参加することをおすすめする。そしてGen Conに行けない君も、中継の配信をここで見ることができる。これをふまえ、君が新しいプレイテスト・パックで見つけられないが、これから恐らく見ることとなるいくつかの変化をここで紹介しよう。

回復:先週も話したように、回復は現在ゲームでもっとも議論がある問題だろう。それはゲームの雰囲気と肌触りを決定づける効果があるからだ。私たちは新規プレイヤーがゲームに親しみやすいように基本になるルールを構築する必要はあるが、君はここがDMにいくつかのオプションを与えうる場所だと考えることもできる。

とはいえ、私たちはキャラクターがひと晩寝て回復する値を減らすオプション・ルールを追加はしたが、大部分はかつてのパックのままになっている。

クレリック:私は回復の話で――君が既に先週の記事を読んでいるなら、既に知っていることだろうが――クレリックに話題を振った。数週間前、私たちは第3版の呪文でどれが一番象徴的だったかを決めるため、プレイテスターに投票してもらった。私たちは多くの人が広く認めたクレリック像をいくつか見てみたかったのだ。

そして多くの人はクレリックというクラスの能力が傷を癒し、呪いを解き、病気を治療するなどと考えていることが判明した。それを使って完全に他者を治療するだけのクラスをデザインするのは簡単だが、それが物語の半分でしかないことも私たちは知っている。多くのプレイヤーはクレリックが回復呪文を使ってくれると思っているが、その共通認識はファイター、ウィザード、そしてローグをプレイする人たちから出てきたのかもしれない。これは充分ありうることだ。

クラスを正しいものにするため、私たちはそのクラスをプレイしたい人たちが望むものを手に入れられるよう確かめる必要がある。私たちにはそれがどういうものなのかという見通しが少しあるので、今後この版のクレリックはいくつかの変更を取り入れ、D&Dの世界とゲームでの役割を用意したクレリックを準備しようと考えている。

ウィザード:ウィザードにあまり変更はないが、それは私たちがファイターとゲームの他の部分を調整することに時間をより多くかけたためだ。ウィザードはおおむね問題ないようだ。私たちはウィザードがどう魔法の使い方を学んだかという秘術流派(arcane tradition)と、5分の休息や瞑想で回復させられるウィザードの呪文を追加しようと考えている。フェザー・フォールのようにD&Dでもっとも象徴的だとされる呪文のいくつかは、それに見合った力があるとはとてもいいがたい。そうした呪文を再使用可能にすることで、私たちはそれらをより魅力的で適切なものにできるなら、それらはゲームでさらに大きな部分を占めることができる。

たとえば、フェザー・フォールはひとつのクリーチャーか物体にしか効果がない。それが第3版では複数の目標を取れるようになった。もしフェザー・フォールを再使用できるようにするなら、私たちはそれを術者のみに影響するものと定義するだろう。こうすることで、それは特定の脅威に対するウィザードの自衛手段になる。

こうした処置をとることができる呪文にはウィザードの保険に含められるものと、これまでファイアーボールなどの代替でしかなかった見劣りする攻撃呪文がある。たとえば、アイス・ストームは伝統的にファイアーボールより少ないダメージだった。それはほんのしばらくの間、クリーチャーを雪と氷にまみれさせることができる。もしアイス・ストームを再使用できるようにするなら私たちはそれにより力を与え、レベルが上昇してより破壊的な攻撃となったファイアーボールと同様に術者にとって使いどころのあるものにできる。

ローグ:正直なところ、私はこれまでローグのお家芸である戦闘能力の急所攻撃に興奮したことがない。私はそれがどうAD&Dのバックスタブ能力から変遷してきたか論理的に結論付けられるが、私の頭にはローグがあまりにもアサシンなどの原型像に引っ張られすぎてはいないかという疑問がある。私はこれまでプレイしてきたローグの多くと急所攻撃が彼らの戦闘能力や人物像に見合っていなかったと考えている。私はローグを戦闘でより狡猾でとらえどころのない立ち位置にできる急所攻撃以外のオプションの作成を模索したい。

ファイター:このクラスにこそ私たちが抱える最大の難物だ。君たちは次の投票で新たなファイターの仕組みについて多くの質問を投げかけてくるだろう。私はこのプレイ感覚が好きだが、これがあくまで草案であることを忘れてはいない。理想的には、簡単に使えてプレイヤーがやりたいことを拡張できる単純な仕組みを提供できるようにしたい。

何よりもまず、私たちの作業を動かすのがフィードバックとその繰り返しだということを思い出してほしい。参加してくれてありがとう。私たちは君たちが次のパックを使って出してくるフィードバックに触れることを楽しみにしている。

マイク・ミアルス

マイク・ミアルスはD&Dリサーチ・アンド・デザイン・チームのシニア・マネージャだ。彼はレイヴンロフトのボードゲームやD&D RPGのサプリメント何冊かを手がけている。