ネコぶんこ


2012年03月05日 しかし、一人称視点を現代のコンピュータゲームに初めてもたらしたのは、「ウルティマ」から派生したゲームである。 [長年日記]

§ [DnD][4e][LnL] 『セーヴか死か!(Save or Die!)』

伝説と伝承

マイク・ミアルス

私がコミュニティに同じような記事を書いてしばらく経ったので、何を意図していたか表明するべきだと思った。D&DのR&Dチームのシニア・マネージャとして、私はD&D製品すべての開発を監督している。次世代のゲームは現在私が行なっている作業でもっとも大きなものだ。私たちがゲームを製作する上で多様なプレイヤーとDMのスタイルを包含するという第一の目標を達成しているか、広い視点で計画全体を見渡すことも私の仕事には含まれている。私たちの開発は次の段階へと進み、モンテはよりデザインにより集中しているので、私は彼の荷を軽くするためにもしばらくこのコラムの執筆に戻るつもりだ。これはまたチームで検討していたいくつかの考えを外部で調査する機会が私に与えられたことでもある。

普段、いくつかの苦しい問題に直面したり、もっと考えが欲しくなった時、私はデザイン作業でチームが分かれ道にさしかかったと合図を出す。この記事はその合図だ。私たちはこの記事に出ている問題をまだデザインの過程で深く検討していないため私は考えることを保留し、それがどのような反響をもたらすか見てみようと考えた。

まず、私がD&Dの歴史を完全な形で深く理解するため何をやろうとしているのか、君に少し教えなければならない。私は1981年のベーシックD&Dを出発点とした、新しいD&Dのキャンペーンを職場で始めようとしている。私の計画はキャンペーンと(それはつまり)冒険を行ないながら、ハウス・ルールを作成し、他の版からルールを追加し、そしてゲームの進行に合わせてルールを変更していこうというものだ。いくつかの点でそれは、私が次世代のために提案されたアイデアを現実で実験する場でもある。つまり、私はキャンペーンでそれらを必要としているだろうか? それらは私のグループのために機能するのだろうか?

当然、これはたった1人のDMとゲームを行なうグループを代表したものに過ぎない。これには私自身がデザインの現場から離れていることで、私がD&Dファンのコミュニティとゲームのために働く人々の中間点に立ち位置を定められるという狙いがある。それを心に置いた上で、私はいくつかの問題をあらかじめ設定している。今週はそれらのひとつについて話そう。

もし君がD&Dを第4版から始めたなら、もしかすると「セーヴか死か」という言葉を聞いたことが無いかもしれない。それはゲーム最初期の日々にさかのぼるが、いくつかの罠、モンスターの攻撃、そして呪文はセーヴィング・スローに成功しなければ不幸な目標は一瞬で死んでしまうか、石化するか、一握の塵になるか、あるいは他の目にあっていた。

セーヴか死の効果はD&Dのメカニクスで面白い効果を発揮していた。かたや、セーヴか死の攻撃を行なう怪物と戦うことは緊張と刺激を与えた。少なくとも、それはそうなりえた。うまいDMはこうした戦いを何年も残るような伝説のゲームにさえすることができた。プレイヤーは彼らのキャラクターが攻撃を果敢にかわしたことやロールの幸運でかわしたこと、あるいは怪物を倒したりやり過ごす冴えたやり方を記憶に残す。

かたや、セーヴか死のメカニクスは驚くほど退屈になりうる。数回のダイス・ロールで絶望が音を立てて止まり、運命の気まぐれがパーティを全滅させることだってある。セーヴか死は連鎖反応を起こす可能性もある。ひとたびファイターが脱落すれば、残ったパーティの劣ったACとセーヴィング・スローは全滅につながりうる。

私の経験では、多くのDMがそれらの使いこなし方を知っていたため、私はセーヴか死のメカニクスが大好きだ。彼らはスパイスとしてそれを使っていた。それらは冒険を面白くしたり無茶なことへのしっぺ返しだった。メドゥサやジャイアント・スパイダーが姿を見せれば、もっとも自信家のプレイヤーでさえ神経質なものにゲームは変わった。大いなる勝利には大いなる逆境を求められ、あっけない死にさらされることはゲームでもっとも厳しい挑戦のひとつだった。

だが、私はそれを好まないプレイヤーやDMの気持ちもわかる。私はDMがモンスターの一覧に手を入れてメカニックを排除し、そうした脅威が姿を見せないキャンペーンをプレイしたこともあるからだ。プレイヤーとDMは物語を語ることを求め、キャラクターは明らかに物語の中心で、ゲームの中でいちかばちかのロールのような運任せの要素は少なかった。同様に、劇的な脅威がダイスの動きに焦点を合わせないキャンペーンのプレイで必ずしも成功するわけではないのは残念だ。

デザイナの肩書きをつけた場合、セーヴか死のメカニックは私の神経を逆撫ですると認めざるをえない。ヒット・ポイントのように私がキャラクターやクリーチャーの状態を簡単に判断するための基準がある。毒のようにいくつかのセーヴか死の効果は、単純にダメージを与える。だがメドゥサの凝視のようなものはどうだろう? 私たちにはセーヴか死の効果をヒット・ポイントに結びつけるいくつかの方法があるだろうか? それはよい考えだろうか?

私の考えはこうだ。セーヴか死の効果はキャラクターが一定のヒット・ポイント以下になるまで発動せず、その一定値はクリーチャーと効果の威力で決定される。私たちは効果を麻痺のようなものにまで拡大でき、それは君を戦いから除外できるようになる。たとえばこのように。

グールの爪によるダメージでクリーチャーのヒット・ポイントが10以下になった場合、そのクリーチャーはセーヴに失敗したら麻痺状態になる。

メドゥサの凝視を受けたクリーチャーのヒット・ポイントが25以下だった場合セーヴに失敗したら石化する。

ティアマトの尾の針がヒットしたクリーチャーはセーヴに失敗したら死亡する。(強力なクリーチャーの場合彼らのセーヴか死の攻撃はヒット・ポイントの制限を持たないこともありうる。)

この方法にはいくつかの利点がある。

  • これはセーヴか死のメカニックにヒット・ポイントを結びつけ、モンスターは君に何度か攻撃を行なってからでないと君を殺したり退場させたりできない。
  • 呪文も同じ処理ができる。ファイターが数ラウンドの間トロルを殴ってからウィザードがフレッシュ・トゥ・ストーンをそれに使うなど。
  • それはレベルごとにモンスターをよりよく調整できる。強力なモンスターが低レベルのPCにとって脅威なのは彼らを1回の攻撃で倒せるからだ。高レベルのキャラクターはまだモンスターに用心して近づかねばならないが、彼らは危険区域の外から賢くやり合うこともできる。
  • それはテーブルを緊張で盛り上げることができる。ヒット・ポイントが減ることでもっと危険になっていく。
  • 私たちはモンスターを彼らの世界での力を基準にデザインできる。メドゥサは町の衛兵を石化させるが、彼らに案内された英雄は勝機がある。
  • それは第3版で顕著だった、恐るべきモンスターが持つ多くの完全耐性を外すことができる。それらの完全耐性は1つの呪文で封殺されるのを阻止するためのものだった。

これで一番しわ寄せを受けるのは呪文使いとモンスターで、攻撃が効果を発揮するかは目標のヒット・ポイントを把握していなければならない。ほとんどのモンスターは、一番ダメージを与える攻撃(ワイヴァーンの尾の棘)あるいは毎ラウンド自動的にトリガーが発生する(バシリスクの凝視)で君はセーヴか死の効果を扱えるだろう。消費制の呪文について同じだとはいえず、セーヴか死のメカニックは再使用できるようにするにはあまりに強力だ。呪文の場合、君はクリーチャーのヒット・ポイントが効果を及ぼす値以上だった場合、自動的にセーヴィング・スローに成功するか呪文の攻撃が自動失敗することさえありうる。しかる後に呪文はミスあるいはセーヴ成功時の効果として、術者の努力に報いるかもしれない。

先週の投票

一日毎/遭遇毎/無限回の呪文発動
1 880 15.2%
2 745 12.8%
3 973 16.8%
4 1354 23.3%
5 1853 31.9%
合計 5805 100.0%
ヴァンス風の呪文発動
1 1124 19.2%
2 906 15.5%
3 1163 19.9%
4 1231 21.0%
5 1426 24.4%
合計 5850 100.0%
(第3版のソーサラーのように)柔軟な呪文発動
1 339 5.9%
2 534 9.4%
3 1799 31.5%
4 1891 33.2%
5 1141 20.0%
合計 5704 100.0%
ポイント制呪文発動
1 940 16.4%
2 883 15.4%
3 1547 26.9%
4 1290 22.5%
5 1082 18.8%
合計 5742 100.0%
君が呪文発動システムを1つだけ選べるとしたら、どれを選ぶ?
一日毎/遭遇毎/無限回の呪文発動 2190 35.9%
ヴァンス風の呪文発動 1634 26.8%
ポイント制の呪文発動 1225 20.1%
(第3版のソーサラーのように)柔軟な呪文発動 1047 17.2%
合計 6096 100.0%

今週の投票

君がD&Dのゲームに持って欲しいものは以下のうちどれ?
  • 私はかつての版のように働くセーヴか死の効果をD&Dのゲームで見たい。
  • 私はここで書かれたように、ヒット・ポイントの一定値をトリガーに働くセーヴか死の効果をD&Dのゲームで見たい。
  • 私はセーヴか死の効果をD&Dのゲームで見たいが、それはかつての版でも上で書かれたものとも違うものがいい。
  • 私はセーヴか死の効果をD&Dのゲームで見ることを望まない。