2012年11月11日 物質的富への期待逓減と折り合いをつける哲学。 [長年日記]
§ [DnD][4e] スーパー・アドベンチャー紹介
今回はあるテーマに沿って作られた一冊完結型のキャンペーン、スーパー・アドベンチャーの紹介ですぅ。
『巨人族の逆襲』は巨人族との戦争という“物語”、『恐怖の墓所』はデミリッチのアサーラックが建造した“ダンジョン”そして『Madness at Gardmore Abbey』はガードモア修道院という“場所”に焦点があたっていて、それぞれDnDはこんなプレイができるという例示として優秀なシナリオ群ですぅ。
4eの運用法についてもこなれてきた時期に出てきたシナリオなので、以前の版からシナリオの核として存在していた“物語”、“ダンジョン”、“場所”といった要素に4e風のアップデートを施して料理した例示としてもなかなかいい仕上がりになってますぅ。
『シルヴァー・クロークス戦記 巨人族の逆襲』/『Revenge of the Giants』[Amazon.com]
スーパー・アドベンチャー第一弾は12~18レベルまでの伝説級キャンペーン・シナリオですぅ。
巨人との戦が始まると噂がささやかれ世に不穏な雰囲気が漂う中、“暁の戦”以来自然世界を守護し続けていたアージェントの都を見出した冒険者たちは物質世界はおろか諸次元界を巻き込む大戦にパラゴン協約の闘士として巻き込まれていく……と、伝説級にふさわしくPCが世界を救う勇者として戦乱の渦中を駆け抜けていくキャンペーンですぅ。
キャンペーン全体の仕掛けとしてはいくつかのクエストとして次のシナリオが提示されるので、ある程度攻略の順番をプレイヤが決められる部分があるですぅ。こうして同レベル帯で行えることを分割してシナリオ化し、延々とひとつのダンジョンを進む構成になっていないのはデルヴ形式で得られた方法論を応用している雰囲気があるですぅ。
さまざまな場所を飛び回って問題に対処するシナリオの内容は伝説級で世界が広がることを実感するのにも一役買っているので、伝説級“らしい”シナリオとしておすすめの一品ですぅ。
『恐怖の墓所』/『Tomb of Horrors』[Amazon.com]
スーパー・アドベンチャー第二弾は少し変則的な英雄級、伝説級、神話級のそれぞれに対応した連作短篇ともいうべきダンジョン・シナリオ集ですぅ。
詳細な説明は以前書いた文章に譲るとして、前述の『巨人族の逆襲』とはうって変わってそれなりに長いダンジョンを4e流にリメイクしたものなのでその対比も面白いですぅ。
『Madness at Gardmore Abbey』[Amazon.com]
スーパー・アドベンチャー第三弾は6~8レベルと、英雄級でパワーが出揃い強さに実感が出てくるところをプレイするシナリオですぅ。
これは他のスーパー・アドベンチャーとは違ってガードモア修道院という場所、そしてそこに関わるNPCや組織を提供するものになっているですぅ。PCは後援者から連鎖するクエストをもらって魔物の巣窟となっているガードモア修道院に挑戦するようになってますぅ。
この形式はDMも遭遇をいくつか抜き出して自分だけのクエストを作ることもできるので何度かプレイしたり、キャンペーンごとに持ち回りDMでプレイすることもできるですぅ。また物語の発端となったアーティファクトで実物のカードとして付録になっているデック・オヴ・メニー・シングスでランダムに決定されるキャンペーンに絡む要素も、再プレイを面白くさせる仕掛けになってるですぅ。
余談ながら、導入の場所は冬越村になっていてシナリオの後援者にもパドレイグ卿など『シャドウフェル城の影』でおなじみの人物が相変わらず出てくるですぅ。