2012年11月21日 医療保険がないことからくる憂鬱症。 [長年日記]
§ [DnD][4e] 2012年10月07日(無題)
アゼリ・アダナ(ロングトゥース・シフターのガーディアン/ウォーデン/ホーンド・チャンピオン/エグゾールテッド・エンジェル22):。嵐や吹雪などいろいろな現象を起こして周囲の味方を護る自然の戦士。ケモ要員。プレイヤはアシタカ氏。
エスペランザ(エラドリンのスカラー/メイジ/スペルストーム・メイジ/エルフ・ハイ・メイジ22):冷気も好きだけど手広く属性を使えるようになった秘術使い。トリガーハッピー。プレイヤは荒原の賢者氏。
グスタフ・トラップ(ヒューマンのグルームロート・エミッサリー/シーフ/パラゴン・シーフ/レジェンダリィ・シーフ22):速くて痛い弓使いから転向した二刀流剣士。装甲は心許ない。バックスタブ人生。プレイヤは森聖氏。
セヴン(ドワーフのマーセナリー/ウォーロード/キャプテン・オヴ・フォーチュン/ウォーマスター22):斧を偏愛するドワーフ。飛び込んできた敵はひどい目にあう。キャプテンにしてジェネラルにしてマスター。流しの将軍をやっている。プレイヤは隠者氏。
ウォーウィングの覚醒をくわだてる堕ちたデーヴァとスラードたちの陰謀が阻まれた時期よりすこし後、影界では大事件が起こっていた。
影界の静寂を好むフェイたちが住む音無しの森を“骨焼きの炉”と呼ばれる火山をねぐらとするエルダー・レッド・ドラゴン“影の炎”スチャイセンが魔物の軍勢を率いて焼き払ったのだ。
かの古き赤竜が略奪をその性としているのは影界の長老たちもよく知るところであり、最初はよくある気まぐれだと考えられていた。文明がひとつ滅びても、それは竜がそれだけ強いだけのことであると。
だが、今回はいつもと様子が違っていた。通常ならばめぼしい財宝を我が物とした竜はそれをねぐらに持ち帰るものだが、スチャイセンは炭と灰だけになった音無しの森に居据わったのだ。森の跡地は竜のまとう力がそうしているのか炎の嵐が荒れ狂い、炎を逃れた植物の種子が芽吹くことすら許されぬ地となった。
ここにきてようやく影界の長老たちも事態の異常さに気づいた。彼らは事態を収拾する力を借りるため影界出身者を先祖に持ち、物質界で盗賊ギルドを束ねているグスタフ・トラップに使者を出した。
同じ頃、エスペランザは音無し森を襲った破壊から逃れて彼の次元界に逃れてきたフェイたちを保護していた。彼らが古き火竜の話をすると、エスペランザは不遜な竜に制裁を与えるため旅の支度を始めた。
流しの大司馬をしているセヴンは前回の戦いが終わった後も逗留していた万軍殿でブロートから影界の探索を依頼され、アゼリは物質界にすら山火事や植物の立ち枯れという形で影響を及ぼし始めた力を追って影界へとやってきた。
かくして神話の英雄たちは影界の辺境、深閑の砦へと集う。
ウォーウィングの探索から一ヵ月後のことであった。
おのおのが道すがら集めてきた情報を総合すると、スチャイセンは“この世にふたつとないもの”を蒐集が何よりの楽しみらしい。そして不幸なことに音無しの森では“それ”が民の気づかぬ間に生成されていたのだ。
フェイたちが長くいとなんできた生の力が凝って生じたそれは宗教家たちからは世界卵と呼ばれ、一部の学者が量子ゆらぎと名づけ、自然の精霊と心通わすものは世界樹の芽として認識する次元界を生成できるほどの可能性を裡に秘めた可能性の種子だった。竜はそれを我が物とするためにフェイの文明ひとつを滅ぼしたのである。
その一方でスチャイセンは彼が持つ絶大な炎の力を崇拝するトゥルガーやオークなどの魔物を多く膝下に従え、彼らに己が仮のねぐらである焼け爛れた森の周囲を護らせている。これを突破するかパーティがスチャイセンの首級を挙げるまでの時間稼ぎをするためにも、彼らに匹敵する軍勢が必要なのは明らかだった。
グスタフは部下に檄文を印刷させてばらまかせ、セヴンはその顔ひとつで彼とともに戦うことを望む命知らずの傭兵たちを集める。アゼリは集まってきた者たちを適材適所へ配置し、さきの戦いで負傷したフェイたちには治療を施すかたわら赤竜軍の構成を聞き出していた。
こうして影界の辺境にたったの三日で大軍勢が集結した。
一方、スチャイセンの紡ぐ魔法が気になったエスペランザが構造を解析すると、竜は世界卵起動式を影界の中でしかも強引に展開しようとしていることが判った。おそらく永遠に彼の存在を世界に刻み込む火山でも創造するつもりだろうが、強引な用法を力技の塊で廻す式は世界にゆがみを生じさせていた。その表出が物質界にまで及ぶ異変である。もしスチャイセンの式が完成すれば、その発動でこれまでよりも悲惨な事態すら起こりかねない。それに何よりその式には彼の愛する精妙な技巧がないことが、エスペランザを怒らせた。
彼は世界卵を非活性状態にする収束式を準備し、軍に合流した。
スチャイセン軍との戦いは彼らが友誼を結んだ同格の者たちまで戦場に駆けつけた英雄たちの圧倒的な勝利だった。彼らは勢いに乗って友軍が攻めあぐねている敵本陣へ“名無し”の力を借りて空中からの強行突入に成功。トゥルガーに率いられていたオークやエルフ族を虐殺するためだけに創造された怪物であり、スチャイセンの財宝でもあるヴォラキアも降してそのまま竜が陣取る炎の嵐へ突入した。
炎で身を焦がしながら英雄たちは嵐の中心でスチャイセンと対峙する。地上でも既に世界卵が胎動を始めており、強大な力を放っていた。
彼らはスチャイセンの魂を焦がし回復力を失わせる炎の吐息を受けつつも、まずは世界卵に全力で攻撃を加えて停止式を打ち込んだ。
世界卵の停止を確認した赤竜は形勢不利と見て逃亡を試みるが、財宝のために文明を滅ぼすような有害な竜を放置しては寝首も危ないと判断したパーティは彼を地面へ引き倒し、そのままとどめをさした。
ここに影界の悪竜は退治され、フェイたちは森をよみがえらせるために先祖が育んできた土地へと戻っていった。
世界卵は影界の長老たちに与えても政争の具になりそうなためエスペランザが冒険の拠点とするための次元界を新たに創造することとなり、新たな世界が誕生した。